そんな痛みの中も、

押され押され、前に進み止まり………



イライラしてきたあたしは、大きく空気を

スゥ―…と吸って、


「海――――――!!」



近くに居た人は耳を塞ぎたくなるような大声で、

海の名前を叫んだ。




その声に、周りにいた女の人の視線が一気に集まり、
その中にはアヤちんも……あと、

目を見開いて驚いている海と修一くんも……。




時が止まったように、一瞬誰もが動かくて……

パチンッ…


となにか音みたいなのが聞こえて、みんな我に返ったのかまた騒ぎ始めた。




「萌亜……?」


アヤちんは、驚きながらあたしに近寄る。


「あ、ごめん。なんかイライラして……」


あははと苦笑い。


アヤちんに離された腕がちょっと痛く感じながらも、
はぁ…とため息をついて、



「あたし、向かう行ってるね?」

「あ、あぁ、うん」



唖然としているアヤちんを余所に、

あたしは女の人な固まりから脱出した。