あたしは危機一髪で右に避ける。





キキッ―!!!


と、耳を塞ぎたくなるような音を立てて自転車が停まる。



「ったぁ……」

「萌亜、大丈夫!?」



慌てて寄って来たアヤちんに苦笑いしかできなかった。



いや、大丈夫なんだけど、避ける時に足をおもいっきり捻っちゃった。



「すません!大丈夫やった?」


そう言って、

自転車の後ろに乗っていた人があたしのところに走って来た。




この人の印象は、

か、関西弁?


だった。


「あ、はい。ちょっと捻っちゃったけど…」


あたしがそう言うと、

その人の表情が泣きそうになってペコペコ頭を下げはじめた。