「もぉ、新倉はねぇ?」



ニヤニヤしながらあたしを見るアヤちん。



「な、なんだし!」


そのニヤニヤ顔やめてよ!

と、言うか忘れてたけど周りの視線が痛い……。



「さっ。修一と新倉も仲良くなったことだし、あたしらも行きますか!」

「はい……行きましょう」


こんな痛い視線を集めている場所に長々居たくありませんよ……。



アヤちんのノロケ話を聞きながら海達の後を追う。


その時、


「うわっ、やべ!」

「ああー!ぶつかる、よけて!」


「「え?」」


後ろからいきなり聞いたことのない男の声。


アヤちんと後ろを振り向くと、自転車に乗った2人……ってえ!?



つ、突っ込んで来る!!



「萌亜!!」

「へっ?」


いつの間にか、アヤちんは遠くに避けてて取り残されたあたし。



え、え、どうしよう!!!



「逃げろ――!」

「え、え、きゃぁ!!!」