呼吸を整えながら、

駅前のロータリーにあるベンチに座っている海に近づく。



「海っ」


海はパッとこっちを見ると、

不機嫌MAXな顔で


「おせんだよ、アホ」

「ご、ごめんなさい…」



案の定、怒られてしまった。


でも、

海はすぐに笑顔になって

あたしを抱きしめた。



「ただいま、萌亜」

「…おかえり、海」



海はあたしのおでこにキスをすると、

自転車に向かって歩き出した。




変わってないなあ、

こうゆう俺様と言うか…

自分勝手なところ。



そんなことを思いながらも
海の後を追いかける。



高校生の時みたいに自転車に2人乗りして海の家に向かう。



「ねー海のマンションってどこなの?」

「あー…着けば分かる」



いや、

そんなこと分かるし!


早く知りたいから聞きたいのになあ。



そう思いながらも景色を見ていた。