「俺と結婚しねぇ?」



「――――え?」







あたしはこれが夢なんじゃないかって思った。



だってこれって

――――プロポーズ。







「まぁ萌亜に拒否権なんてねぇけど?」


「―――へっ?」





な、ないの?
拒否する訳じゃないけどあたし達まだ大学―…




「大学卒業したら結婚して欲しい」





あたしの心を読みとったかのようにあたしの目を見て真剣に言ってくれる海に涙が溢れる。






「うぅ〜海ぃー!」


「ははっ、ガキみてぇだな。」





海はあたしの左手の薬指にあった指輪を右の薬指に付け替えると、


箱から取り出した指輪、
結婚指輪をあたしの左手の薬指にはめた。







ねぇ、海。



あの日のことは忘れられないよ……。