海は、

あたしがこんな状況に置かれていることも知らずに

気持ちよさそうに寝ている。




「さっさと起こす!!」

「は、いっ」



なんで雅ちゃんがこんなに大声出してるのに起きないんだろう……。


呆れて、

早く起こそうと海の肩に手を乗せたその時……



「邪魔すんぜーい!」

「お邪魔しまーす」



玄関から山口くんと麗奈ちゃんの声。



その声に海はうっすら目を開けた。



「んっ……」

「あ、起きた。起きたよ、雅ちゃん!」


雅ちゃんの方を振り向くと、

雅ちゃんは苦笑いであたしと海を見ていた。