「じゃあ物凄く簡潔に伝えると
ノーネームは生徒会のパソコンにハッキングしてから姿を消し、次の生徒会選挙で会長に立候補した」



「簡潔過ぎて逆にわかんねー‥」


「だよね、」



苦笑いする相馬さん


何で、立候補した?
どうして姿を消す?



頭の中は疑問だけがグルグル巡った



「学校にはバレたのか?」


「バレなかったけど噂は流れたかな。

“ノーネームはこの学校に居て、学校のパソコンをハッキングして生徒の個人情報を見ている”ってね」



「どうして、バレなかった?」



「これは透志朗から聞いた話ね

元生徒会長が透志朗のハッキングに気付いて、
逆にウイルスを送り込み、学校の全てのパソコンに頑丈なロックをしたらしい。

その後、透志朗はその元生徒会長に身元がバレ弱味を握られたんだって」



「それで、脅されたのか?」



相馬さんは
ゆっくり首を横に振り、
優しく笑い「脅されてないよ」と呟いた