嘘だ、と言ってもう一度記憶を辿ってみる。


でも、どう考えたってそれはノアが教えてくれたことだとしか思い出せず―


考えてると、ノアが言った。




「…光くん、覚えてるわけ、ないよね…」

「何が?」

「ごめん…さっきやっと会えた所だったのに、変なこと言っちゃった。」

「いいよ。でも、それどういう意味?」




俺は気になって聞いてみた。


ノアは教えてくれなかった。


なんでもない、忘れて、と繰り返すだけで。


ノアがそんなに言うなら今回は仕方ないと思った。


…そう、思い込もうとした。


でも俺の心には引っかかっていた。