『光くん...』




声がしたのは、3人でテントを張って横になった頃のこと。


俺は頭の中に声が響いたと分かっていながら、きょろきょろと見渡してしまった。


タクミが不審そうに俺を見る。




「何やってんの、お前。」

「...いや、今ノアの声がしたから―」

「まじ!?なんだって?」

「さぁ...?」




頭の中で響いた声は途絶えてしまった。


俺は首を傾げて、もう一度横になった。




「ノア...捕まってないよな?」