心に封じ込めたはずなのに。


あんな奴、とっくに忘れたはずなのに。




「わしらは逃げんよ。」

「...どうして?
俺が逃げたら、祖父ちゃんと祖母ちゃんが疑われるんだ。
何されるか―」

「わしらはずっとここにおる。」




...ありがとう。


でも、俺は信じないよ、その言葉。


とても嬉しいけど。


信じたいけど。


心に残った傷が、俺にその言葉を信じさせてくれない。


俺を置いて行った家族のことを、俺は一生忘れない。