きっぱりと言った。


ごめん。


大事に育ててくれたのに。


いきなり出て行くだなんて、残酷すぎるよな。


...でもさ、仕方ないんだ。





「祖父ちゃんと祖母ちゃんも逃げた方が良い。
今日の夜か明日までに、一旦家を出るんだ。
...それでどこかに泊まって―」

「光。」





祖父ちゃんが俺の名前を呼んだ。


光。


それは父さんの声にとても似ていて。


なぜか思い出してしまう。