食べるのに夢中な劫に声をかける。


あぁ、と曖昧な返事が返ってきた。


そこで劫との会話は終わった。




「さっきの質問だけど、俺の好きな絵はやっぱ、ほら、あの...」




刹那が言葉に詰まった。


珍しい。


刹那が言葉を選ぶために黙り込むなんて。


でもすぐに顔をあげて、こう言った。




「なんて言えば良いか分かんねぇや。
空の絵、あるじゃん。丘の上の木と、青い空の絵。」

「あぁ、分かった。」