でも改造されておかしくなった本能というものはまだ平気だったんだろう。


俺たちにはまだ時間があることを瞬時に計算した。




「まだ平気だ。あいつらはもっと遠くを歩いてただけだ。」

「でも探してるよね、あたしたちのこと。」

「…あぁ。」





俺たちは急いで荷物を片づけた。


俺たちがそこにいたという、痕跡を残さないため。


2つの袋に入れて、俺とタクミが担いだ。


そして周りを見ながら、静かに、ゆっくりと横浜を抜けた。


夜の横浜は、人が多かった。


お陰であいつらがどこにいるかなんて、全然分からなかった。