とても綺麗に、優しく。


でもママが専門とするのは、もっと、未知の世界の様な、分野。


見たことのないくらい青く美しい海。
緑が輝く森林。
暗い洞窟を照らす煌々とした光。


あたしは次々にママの作品を出して行った。





「何やってんの?」





その声が、聞こえるまで。


あたしはいきなりの声に驚いた。


でも誰なのかは分かる。


劫だ。


劫はいつもこうやって、音をたてないであたしの傍にやってくる。