「ねぇ、なんでお菓子のレシピ知ってるの?」



本みながらならわかるけど…


でも、まず男子がお菓子って…



『今、男子がお菓子作りなんか、変って思っただろ?』


「何でわかるのよ!!」


『マジだったのかよ!!』



大きなため息をつき、ロールケーキを食べた咲弥。



「ごめん…それよりさっきの質問…」



やばい怒らせたかも?

もし、そうだったらどうしよ~!!



『お菓子作り好きで、よく作るから…』


「覚えたんだ!」


『あぁ』



凄いなぁ…

でも、男子がお菓子作るのも、変じゃないよね?

むしろ私は好き♪


そして最後のロールケーキを食べ終えた。



「ごちそうさまでした♪」


『ん?あぁ』



ふと、時計をみると、まだ3時…

帰るまでまだまだ時間がある。



「…5時まで、居てていい?」



咲弥が振り向いて笑った。



『無理…』


「…」



やっぱ駄目かぁ。

そりゃ、女子と2人だもんね…



『ってなわけねぇだろ!
5時まで居ろよ?』


「へ?」


『居たくねぇの?』



意地悪そうに笑う咲弥。



「いや!居させください…」



うわ!

また敬語使ってしまった!



『おもしれー奴』



窓の外をそっと眺めた咲弥。

意地悪な所もあるけど、優しい一面もある…

しかもこんな横顔、カッコ良かったんだ…─