ゆっくり唇を離した咲弥。
「私も咲弥を愛してる!」
咲弥の胸へ飛び込み、思い切り泣き叫んだ。
どうしよう。
涙が止まらない。
止められないよ。
咲弥はそっと私の髪を撫でて、涙を拭いてくれた。
『俺は何処に居ても、美紅だけを愛してるから』
「さくや、ひくっひくっ」
涙で顔がよく見えない。
私の顔涙でグチャグチャだ。
『これ、飛行機の中で読んで?』
咲弥は私に手紙を渡した──
シンプルな封筒。
「まさかあんな所でキスするなんて、カッコ良いね!秦!」
彩芽は秦にニヤニヤしながら言う。
彩芽らしい。
『本当だよ、美紅ちゃん聞いて『秦!』
秦の言葉をさえぎり、咲弥が止めた。
『咲弥、毎晩泣いてたんだよ?
いつも、美紅ちゃんの事を思ってたんだよ。』
えっ───