『なに照れてんだよ』 背中をポンっと叩かれた── 「あっ…」 その衝撃で手から隙間が出来て螢が逃げてしまった… あーあ、綺麗だったのに。 『なぁ、螢か俺どっちが好き?』 私の髪についている螢を手にとって聞いてきた。 わけのわからない質問するなんて珍しい。 でも答えは決まってる。 「そんなの咲弥に決まってるじゃん!」 咲弥は私の方を向いて『良かった』って安心してた。 もし、答えが違ってたらどうなってたんだろう。