秋斗side

咲弥はずっと静かで、真面目だった。

小学生の頃は帰ったらすぐ宿題し、勉強してたっけ?

そのわりに運動神経は抜群だ。

俺はあいつのこんな所がきにくわなかった。

勉強できて、スポーツ万能で、料理上手くて…

俺には何1つ当てはまらない。

俺はきっと咲弥が羨ましいんだ。

だから喧嘩もよくしてよく怒られた。



「空賀くん!!」



こんな騒めいてる廊下に響きわたった美紅ちゃんの声。



「はぁ、はぁ、ごめんなさい。
止めちゃって…
咲弥と仲直りしたか聞きたくて…」



そういう事か。



『したよ…』

「本当?良かった!!」



さっきまで下向いてた顔が上がり、笑顔になっていた。

可愛いな…

咲弥にお似合いだな。

ちょっと悔しいけど。



「これ食べて?」



そう言ってラッピングしてあるお菓子を俺に渡した。


『え?』

「私、空賀くんのバスケしてる姿好きだよ!
だから、元気だして?」



こんな事言われたの初めてだ。

俺がバスケしてる姿が好きなんて…