私の前にしゃがみこんだ咲弥。



『お前に涙は似合わないな』



そう言って私の涙を拭いてくれた。



「さくっや、ひくっ」

『あ~もう泣くな!!』



止まらない私の涙を拭いてくれる。

涙は自分で拭く物なのに。


『震えてる…』



私って本当の本当に馬鹿!!

お化け屋敷入ったぐらいで泣いて、おまけに震えるなんて…

なんであの時、パッと見て決めちゃったんだろ。

最大のミスおかした。



「さく…や」



震えてる私の手にそっと、大きくて温かい咲弥の手が上に…



『手のひら、合わせると心が繋がる』



私と咲弥の手のひらが重なり合う。



「咲弥の手、温かい」

『よし、泣き止んだし、震えもおさまったな☆』



本当だ…

涙、流れてないし、震えもしてない。



「ありがとう!」

『うん』



手のひらって凄いんだね。

人の心を繋がせ合う。

まるで結ばれているように。