はぁ…恋か…。

　苛められてばっかだから男の子と面識ないんだよね…。

　なんて、独り言を言いながらいつもの帰り道を歩いていた。

　「璃音様」

　ん…？誰か呼んだ…？

　いやないない。

　話しかけられるはずのない私は、歩き続けた。

　「璃音様！」

　やっぱ呼んでる…。

　しかも、様？

　私は、立ち止まった。

　その隣で高そうな車が一台止まった。

　「誰！？」

　車から降りてきたのは、白髪のおじさんだった。

　「私は、碓井　柾（ﾀｲ　ﾏｻ）と申します」

　「ぁ、はぁ」

　理解できていない私に碓井さんがいろいろ説明してくれたけど未だに理解不能。

　「お乗りください」

　ほぇ！？

　いつの間にこんな展開へ？

　半ば無理やり乗せられて車は動き出した。