「ごめんなさいね…悠羽…」

 涙を流して悠羽を見つめる。

 「私たちは、悠羽の将来の為に勉強しなさいって言っていたけど…すべて私たちの為だったのよね…。ホントにごめんなさい」

 深々と頭を下げる。

 「あんた…誰だよ」

 悠羽は、顔を見ようともせずそっぽを向いている。

 「悠羽…逃げんな」

 龍が眉を寄せ悠羽に行った。

 「許してなんて言わないわ…。ただ玲於のお兄ちゃんでいてちょうだい…」

 震える声で何度も繰り返す。

 「許すわけ…ねぇだろ…?僕は、あんたが大嫌いだ…!!

 今更謝られても…。でも、僕…優しい母さんと父さん知ってるから…。

 一回も忘れたことなかったよ…?迎え待ってたんだよ…?」

 龍に応えるように声を振り絞り伝えた。

 「悠羽…」

 悠羽は、お母さんの胸で泣いた。

 「僕…ごめんなさい」

 玲於君は、五人に謝った。

 「だから気にしてねぇって」

 空夜が玲於君の頭を撫でる。

 「ごめんなさい…」



 悠羽のお母さんは、悠羽と仲直りをして、玲於君の手を引いて帰って行った。



 やっと一件落着!

 ホッとしている私をよそに、神山母の計画は着々と進んでいた…。