最近自分のことでいっぱいいっぱいだった私の頭から、愛理が薄れていっていた時。

　「相嶋さん！」

　クラスの女の子に声を掛けられた。

　「はいっ」

　少し肩が跳ね上がった。

　前に比べてよく話しかけられるようになった私だけどまだ慣れない…。

　「あ、愛理が！」

　「愛理がどうかしたんですか？」

　「最近悪い奴等と絡んでて、今相嶋さんを出せって外で複数で叫んでるの」

　「わ、私！？」

　震えながら頷くクラスの子。

　「わかった」

　靴を履いて愛理のもとへ。

　あれ？

　誰もいないけど…。

　「こっちっ！」

　複数の女の子に腕をつかまれ体育館倉庫へ。

　「何ですか！？」

　「久しぶり、璃音」

　あ…愛理？

　目の前にいる愛理は、可愛いとはお世辞でも言えない容姿。

　がりがりにやせ細って茶髪のフワフワだった髪も抜け落ちていた。

　「あんたのせいで私は、ボロボロ…。返して元の私を返して！」

　凄い形相だった。

　「どう…したの・・・？」

　どうして私のせいなの？

　「私が、イケ神のこと好きって知ってるのに自分だけ仲良くして…あんたが憎くてたまらない」

　あ…そうだよね…。

　「いいわよ」

　愛理がそういうと同時に三人の男の子が入ってきた。

　「頼むわ」

　愛理は、姿を消した。

　「やっぱ可愛ーわ」

　イヤラシイ顔で近づいてくる三人。

　怖い…。

　震えながら、退く。

　「なんで逃げるの～？優しくしてあげるよ～？」

　トンｯ。

　壁に当たった。