悠羽が、私の髪を操るように整えていく。

 今までは、ずっと下げていた髪を三つ編みへ。

 「よし、完璧」

 「では、次はメイクを」

 奈桜が、私の目の前に立った。

 「目を閉じてください」

 優しくメイクをしてくれる奈桜。

 男の子にこんな風に接してもらうのにまだ慣れない私。

 今日、ホントに私は変わることができるのだろうか…。

 五人には、黙っていたけど今まで五人の近くにいるからって理由でいじめられたこともあった。

 私も、わかっていた。

 この五人と私が不釣り合いなことなんて。

 でも、私は五人が好きになっていって、離れたくないって思うようになった。

 いじめられても、耐えるようになった。

 五人が協力してくれてるんだし、私自身が変わらなきゃ。

 「できました」

 奈桜の声が聞こえた。

 視界が真っ暗…?

 「さぁこちらです」

 空夜が目を手で覆ってるみたいだ。

 視界が開けた。

 「璃音お嬢様、お綺麗です」

 鏡の前の私は、今までの私とは別人だった。

 「こ、、これ、、私?」

 ホントに信じられなくて唖然とする私を見て五人は、笑っていた。

 今まで、貞子みたいだと言われていた髪は、ふんわりした三つ編みに。

 化粧なんかしたことのない顔は、ナチュラルメイクでモデルさんみたいに。

 今まで来たことのないワンピースは、信じられないくらい似合っていた。

 今まで外したことがないメガネは、コンタクトになっていた。

 「あ、、、ありがとう!」

 私は、満面の笑みで五人に抱き着いた。

 「どういたしまして」

 五人も、私を受け止めて満面の笑みで言ってくれた。