「……ん」

 「…音」

 「璃音お嬢様!」

 「はっはい!」

 「おはようございます」

 今日も五人のモーニングコール。

 「おはよう」

 「俺が着替えさせて差し上げましょうか?」

 空夜が囁いた。

 バシッ。

 そんな空夜を悠羽が叩いた。

 あの日から空夜を見ることができなくなってしまった。

 「今日は、本番ですので頑張りましょうね」

 悠羽が天使の笑顔で言った。

 「う、うん」

 そう、今日は本番。

 「では、失礼します」

 メイクは、奈桜。

 衣装は、陸玖。

 ヘアメイクは、悠羽。

 この三人がしてくれる。

 「まずは、衣装から決めさせていただきます」

 私が来たことのないワンピースを何枚か持ってきた。

 一つ目は、黒に白いリボン。

 二つ目は、ピンクの白いドット柄。

 三つ目は、水色にフリフリ。

 「ど、どれも似合わないよ…」

 「俺たちが似合うようにして見せますから」

 陸玖が選んだのは、一つ目のだった。

 部屋で着替えて陸玖たちのもとへ。

 「感想は、後程」

 「次は、ヘアメイクをさせていただきますね」