「なんでお前、俺やメイに干渉してくんだ?」
早瀬の表情は無表情。
なのに瞳はどこか悲しげに見えた。
「なんでそんなに知りたいんだ?」
知りたい理由?
最初は二人ともほっとけなかった。
俺のしつこくお節介な性格もあるし、そのおかげで最終的にはみんな何だかんだ言って俺の友達になった。
だから二人もめげずに接していけば……と思った。
だから知りたかった。
けど今は違う。
愛澤さんへの理由は違う。
好きな人のことを知りたいと思うのは普通でしょ?
「俺がお前らのことを知ろうとしちゃ悪いのか」
「ああ、悪いね」
早瀬の纏う空気が変わった。
今度は相手を拒絶するような灰色の目に、ピリピリとした緊張する感じ。
こいつ視線だけで人を殺せるんじゃないかってくらい殺気立っている。
「世界自分中心で廻ってると思うな。
自分が物語の主人公でもなった気でいたのか?
世の中にはな自分と相容れない存在のやつが絶対いるんだ!
友達ごっこがやりたいなら他をあたれ!」
早瀬がなんでいきなりキレたのかわからなかった。