「ふぅーやっぱ外は暑いね〜」
「……」
保健室はいつ先生が戻ってくるかわからないし、愛澤さんの前でうるさくしてもダメだろうから屋上に移動した。
愛澤さんはすぐに布団から出て俺を止めようとしたけど、俺はその前に早瀬を引っ張りカーテンから出て、すぐに保健室を出た。
愛澤さんは俺たちが出ても何か言ってたけど無視した。
病人は病人らしくベッドにいなさい!
早瀬は俺に引っ張られて、不満そうに眉間に皺(しわ)を寄せたが、呆れたのか腕を離しても黙って俺についてきてくれた。
じゃなきゃ困る。男とずっと手(実際は俺が一方的に腕を掴んでいる)を繋いでいられるか!
そして、今は授業中故、誰もいない屋上で話をすることにした。
「愛澤さん、ちゃんと布団かけて寝てるかなー?」
単刀直入で聞くと絶対教えてくれないだろうから、愛澤さん絡みの話を入れて向こうが話してくれる雰囲気を作ることにする。