「いや、俺まだ体育あるし……」

「それは俺もだけど?一緒にゆっくり話をしながら行こうか?てかもう体育の時間も少ないし、何ならこのまま二人でサボってもいいけど?」

「……」



逃がさないぞ☆



『えっと、寅沢くん、話なら私が答えるよ……?』



俺のしつこさを知ってる愛澤さんならわかるんだろう、俺がこの後早瀬を質問攻めにするということを。
だから早瀬に助け舟出したんだろうけど、愛澤さんは分かっていない。
愛澤さんが早瀬を庇うとかそんなことしないで欲しい。
質問されて困るのは自分だと分かってるのに早瀬を庇わないで欲しい。



「愛澤さんにも聞きたいことは山ほどあるけど今は安静第一だからね〜。愛澤さん、いい加減寝なさい」

『……え、ちょ!』



否とは言わせまい。
俺は開いてる片方の手で愛澤さんに上から布団をバサッとかけた。
愛澤さんは驚いて、頭からすっぽり布団が被さった状態となる。



「さて早瀬、雑談でもしようか?」



俺はニコッと笑って見せたけど、早瀬の顔は引き攣ってた。