「二人とも!俺いるんだけど!?」
たぶん俺の存在忘れて言い合っていた二人。
愛澤さんなんて寝てたのに途中から飛び起きて喧嘩始めるし。
てか、愛澤さんホントによくしゃべるね……。
無口無表情の時より口も悪かった。
これ以上放置されるのは嫌だし思いきって口を挟んでみたのはいいが、同時にこっちを睨まれたのは怖かった……。
すぐに二人とも表情を変えたけどね。
早瀬はやべえって顔。
愛澤さんは顔が赤くなってた。
そうかそうか、二人とも醜態を晒して焦ってるのかー。
いい気味だ。
俺を無視したことを反省しろ。
(春樹は構ってちゃん)
「あ、えっと、寅沢今の聞いてたよな?」
「目の前で喧嘩されたからねー?」
「『…………』」
バッチリ聞いてたよ。
ツッコミ所満載だったよ。
さて、何から問い質していこうか?
「じゃ、俺はこの辺で……」
「早瀬〜?それはねぇんじゃないの〜?」
俺の思っていることに感づいたのか早瀬はそそくさと立ち去ろうとする。
そうはさせるかと俺は早瀬の腕を掴んだ。