最初、やっと先生が帰ってきたのかな?って思ったのだが、
「……メイ?」
声の主は違った。
…………早瀬だ。
なんでここに早瀬がいるのかわからない。
まだ体育の時間は終わってないし、何か理由つけてここへ来たに違いない。
来る目的は彼の第一声で明白だ。
いきなり現れた恋敵(勝手に解釈)に、緊張する。
静かになる保健室。
さて、どうしようかと悩んでいたが、
「と、誰かいるな。寅沢か」
あっさり早瀬にばれてしまった。
仕方ない顔出すかとカーテンを開けようと布団を置いた途端、カーテンが開いた。
え?
「やっぱりな」
さっきまで声はドアの方でしてなかったか?
入口のドアからここのベッドまで歩いてそんなにかからないとしても、走ったら足音するし、早瀬が来たってすぐにわかる。