世界の危機なんて急に言われても、いままで平和に過ごしてきた彼にはまるで理解しがたい。


平和な生活がこの先もずっと続くものなのだと、なんの根拠もなく思っていた。


それに戦いの経験などない。


身体能力は秀でている方だが、ただそれだけだ。フェニキアクスの力を借りたとしても使いこなせるかどうかもわからない。



「俺にできることなのか?」


「あなたはそういう星のもとに生まれたのだから、きっとできるのでしょう。私は信じています」