3年生になって、1カ月が過ぎた。
桜も散り、葉は緑色に変化してきた。
昼休み、俺はいつものようにうきうきしながら屋上へ向かった。
真由香、もういるかな?
ガチャッ
『真由香おまた…せ。』
なんだコレ?
『真由香…?』
俺の小さな声は届くはずもなく真由香は続ける。
他の男との…激しいキスを。
「んッぁ」
時々漏れる真由香の甘い声。
「もっと聞かせろよその声。もっと見せろよそのエロい顔。」
「バカぁ…でも、そんなとこが好きよ。」
真由香…真由香、真由香!
俺には聞かせたことのない声を発する真由香。
俺は、お前が大切だから…我慢してたのに。
そう、俺はあの日以来あんなキスをしていない。
『真由香ッ!!』
ビクッ「ゆ、優…。」
『真由香、なにこれ。』
「こ、これは…。」
「え、真由香彼氏いないんじゃ…??」
『は…??』
「ちょ、ま、待って!優!!」
『あんなトコみて…言い訳すんの??』
「ち、ちがッ!」
『真由香。別れよっか。』
「うん。」