「でも…サキさんは…?」



「サキ?」


何がという目で
彼は言った。



「サキさんはケイと付き合ってるんじゃ…?」



さっきも
一緒に来て
一緒に帰って行ったし
サキさんはケイを
“ケイ”って呼んでた…



「は!?ないない。
ケイとサキは絶対あり得ないよ。
サキはケイの気持ち知ってるし、
あいつ社会人の彼氏がいるから。」





そうなんだ―
彼女じゃないんだ。
良かった。




「サキは、俺らの学科で唯一の女子。
あいつ綺麗だから
結構モテてさ。
女子からはなんか
一目置かれてるみたいで、
俺らといるってわけ。」







「翔太さんは彼女いるんですか?!」




ずっと黙っていたハルが
急に聞いてきた。





「お、俺??
いないいない。」



翔太さんは
驚いた様子だったけど
ハルは嬉しそうだった。







私たちは
その後もう少しだけ話して
別れた。