前を向くと、あたしの少し先にポケットに手を突っ込んで歩いている青弥がいた。




「…青弥っ!」


あたしがそう叫ぶと、振り返って止まってくれた。




「ぁ、ありがとう…」



「バーカ」


憎たらしい笑みと言葉を残して、また歩き始めた。