side 英士




桜がぶっ倒れて


あの日の出来事がまた




繰り返されたかと思った。





倒れた桜を見て俺はただ呆然とするしかなかった。



すると俺の前を暖人が通り過ぎて



桜を軽々と抱き上げ




保健室へ歩き出した。



あの時と同じ




俺は何もできなかった。




桜を助けるのはいつも暖人




海と太陽、暖人、俺



四人で保健室にはいった





俺は怖くなった。


また、桜に忘れられるんじゃないかと。



おれだけじゃない、海も暖人も太陽も


不安でいっぱいのはずだ。