昔話を致しましょう。

 愚かな女の、退屈な話でございます。

 ただ一言、しかしながらとても大切な嘘を付けなかったが為に、魂の欠片を失った女の言い訳とでも申しましょうか。

 貴方を愛していると。

 あの時伝えるだけで良かったのです。そうすれば、せめて笑顔だけでも最後の記憶と留められたかもしれないのに。

 ……どうして私は、受け入れる事が出来なかったのか……