「一緒に遊ぼうよ」

声がしたほうを向く。


ビー玉みたいに真ん丸の瞳。

りんごのように赤いほっぺた。

ふたつに結ばれた黒い髪。


この前、わたしを見ていた子だ。


一緒に、遊ぶ。

わたしが望んでいたことだ。

頷いたわたしは、馬の尻尾みたいに揺れる黒髪を見ながら、ほかの子がいる元へと向かう。


『ひとりではないよ』

心の奥底から、声が聞こえた気がした。