ツボミ君の手が髪に触れた。

これが仕事でじゃなく、プライベートでなら、どんなに幸せだろう…

「どれくらいカットしますか?前回からあまり時間たってないんで、そんなに伸びてないけど」

「揃える程度で…」

「揃える程度ですね」


手際よく髪を分けて、毛束をダッカールで留めていく。

ツボミ君の綺麗な手…

私は鏡ごしにじっと見ていた。