【side 知里】


「知里ーっ!帰るか」


「うんっ」


部活が終わると、着替えをすませ竜斗と一緒に帰る。

これが最近の日課。



「明後日からは夏休みだなぁー」


帰り道。
ウキウキした様子で竜斗が言う。
竜斗はいつも道路側を歩いてくれる。

竜斗は何にも言わないけど、それが気遣いだって分かってる。

どんな時も繋がれた右手は離れないしね。


「だねぇ。楽しみだなぁ!!」


「おぉ。あー…けど部活ばっかだし、あんま遊べねーかも。 ごめんな」


「ううん!遊べなくったって平気だよ。だって部活があるお陰で、毎日竜斗と会えるんじゃん。うちはそれだけで、幸せだよ。竜斗と一緒に居れるだけで」


「おっお前///よく…そんな恥ずか……」


竜斗の顔がりんごのように真っ赤になった。

………………っっ!!

うち、今すっごく恥ずかしい事言ったの?

何にも考えずに言っちゃったから………