長谷川君は何度殴られても、どんなにぼこぼこになっても弱音を吐かなかった。

「そんぐらいにしとけ」


もう一人の男が言うと
男は殴るのを止め、
こっちに向かおうとした。

が、長谷川君は行かせまいと傷だらけの体で男の足にしがみつく。


「放せよ、くそガキっ!!」


男は長谷川君の顔を蹴る。

「や……やめて―――もうやめてぇーーーー!!!」

私は泣きながら叫んだ。


それからも長谷川君は何度も何度も殴られ……だけど負けずに男にしがみついた。


そのうち、近くを近所人が通りかかった。


「やべっ!!!逃げんぞ」

男はワゴン車に乗り、
一目散に逃げて行った。


「はせがわくーんっ!!!………大丈夫っ!?」


ボロボロになって横たわった、長谷川君の元に駆け寄る。