後で公香に怒っては
みたものの謝られると
それ以上は何も言えなくなる私は、簡単に流されてしまった。

【side知里】

ある日の朝、
学校へ行くと真由と公香が勢いよく教室に入ってきた。
「ちぃーさぁーとぉー!!!」

「真由?どうしたの?そんなに嬉しそうに」

とびきりの笑顔で真由が
近づいてきた。
そのすぐ後ろには、苦笑いの公香もいる。

「あのねっっ!!!私、一目惚れしちゃった!!!」


「一目惚れ!?誰に?」



「分からないのっ!!けど、けど、すっごくかっこよくてね、えーっとね、可愛いのっ!!」

かっこいいのに可愛い??すっごく興奮した様子の真由は、何を言っているのか全然分からない。

「私、横にいたから説明するよ。学校まで行く道って、歩道が凄くせまいでしょ??私達は自転車通学だから、そこを自転車に乗って走ってたの。そしたら、よそ見をしてた真由は車にぶつかりそうになって、それをよけるためにバランスを崩して、自転車から落ちたの。そこに、私達と同じぐらいの歳の人が来て真由を引っ張って、おこしてくれたって訳」

すかさず、公香が説明してくれた。