「……ん?」


啌君は眠そうに目をこすりながら、重そうに体を持ち上げた。


「おはよ。起こしてごめんね?」


「あー…うん。別にいいけど……」


目を覚ましたのか、少し気まずそうにしながら言った。


「あのね、、、今日一緒に帰れないかな?」


自分から男の子を誘う事に慣れていない私は、緊張しつつも勇気を振り絞ってそう言った。


「……え…何で?」


……へ?

普通にいいよって言ってくれると思ってた私は、びっくりして固まってしまった。


「あ、いや…最近一緒に帰ってないし……」


「何で一緒に帰る必要があんの?恋人同士でもないのに」



ちくんっ。


啌君は不思議そうに…半分シラけたような表情で聞いてきた。


「そ、だよね。うん…そりゃそうだっ!!へへっ…ごめんごめん、今の忘れて」


私は自分の感情が啌君にばれないように、無駄なくらいの笑顔でそう言った。


「……そう」


短い会話が終わり気まずくなった私は、一人教室を出た。