気にしてない。


そう言ったら嘘になるけど、あの事件が啌君のせいだなんて思ってない。


逆に私は嬉しかったんだ。啌君が助けに来てくれた事。
私の為に喧嘩してくれた事。
ギュッと優しく抱き締めてくれた事。

ホントに嬉しかったんだ。


啌君はどう思ってるのかな?



「明日、ちゃんとプリンスと話しなよ?」


みっちゃんは、私の前に回り込むと真剣な表情で言った。


「明日っ?もう合宿が終わって2ヶ月以上も経ってるのに、今更そんな話できないよ」


みっちゃんの真剣な表情に圧倒されながらもそう言うと、みっちゃんはまた大きなため息をついた。


「何言ってんのよー!!そんなの関係ないでしょ。じゃあ、公香はずぅーっとこのままでいいワケ!?」


「い、いや、そりゃ――」

「大体ねぇ!!一緒に花火大会まで行ったんでしょー?なのにどうして、こんな風になっちゃったのー?」


私が応えようとしているのを無視して、みっちゃんはどんどんと話を進めていく。