うちは、そう言い捨て、走ってその場から逃げた。
最後まで、思っても無い事を言っちゃったよ。
出会わなければよかったなんて、思った事ないのに。
まだこんなにも、竜斗が好きなのに。
竜斗のホントに気持ち、聞けなかった。
いや、聞かなかったんだ。
泣かないって決めたのに、泣いちゃった。
どうして人は、素直になりたい時に限って、素直になれないんだろう。
思ってる事と正反対の事ばっかを言っちゃって、結局何も解決しないんだ。
竜斗に打たれた右頬に、もう一度手を添える。
竜斗に打たれたのは痛かった。
だけど泣いたのは、痛みのせいじゃない。
あんなに優しい竜斗に、そんな事をさせてしまった自分が情けなかったんだ。
そんな事を……好きな人に、させてしまったという事実に。
ねぇ、神様。
うちは、どうしたらいいですか?
友達でいいから。
一番だなんてワガママ言わない。
二番じゃなくたっていい。
せめて……普通に笑って話せる友達に戻りたかっただけなんです。