「あーあ。すっかり暗くなっちゃった」
監督と話し合いをしていたら、外はすっかり真っ暗になっていた。
もう秋だから、陽が落ちるのも早くなってきたな。
そんな事を思いながら、荷物をとるために部室に向かった。
あれ?
部室の近くまで行くと、部室の灯りがついている事に気付いた。
消し忘れかな?
それとも誰かいるとか?
部室のすぐ側まで行くと、中から声が聞こえてきた。
あ、やっぱり誰かいる。
入ろうと思ったけど、次の言葉を聞いた時、うちは固まった。
「けど、本当にいいのかよ?マネに嘘ついたままで」
………嘘?
その声は、竜斗と仲のいい2年の人のものだった。
「あぁ。いいんだよ、これで」
竜斗だ………
「けど、まだマネの事好きなんだろ?諦められんの?」
「諦められる……わけないよ。だけど、こーするしかねーじゃん」
「お前、本当に不器用な奴だよなー」