「ん？」
優也が優しく微笑む。
「お母さんに、優也はお父さんじゃなくて、実の子なんだって気付いてほしい？」
なんの根拠もないけど、優也が今悩んでいるのは、私が知らないのは、それだと思った。
「…………ううん。いいんだよ、このままで。お袋は、“オレ”より“お父さん”だと思ってる方が幸せなんだ。お袋が幸せなら、オレはそれでいい」
そんな………
「ホントにそれでいいと思ってる？優也には、欲がないの？私なら嫌だよ、そんなの。知ってほしい、自分の事。こんなに成長したよって。凄く、大切な人が出来たんだよって。伝えたいよ」
大切な人。
それはもちろん、優也だからね。
「………」
優也は何も言わなかった。
「優也。私は優也の彼女でしょ？私には、嘘つかなくていいんだよ？ましてや、自分には絶対嘘なんてつかないでほしい。優也には」
「………真由ちゃん」
