あぁー…だからか。
いきなりじゃないと、うち逃げちゃうもんね。

竜斗は、うちの性格を分かった上で、今言うって決めたんだね。


そっか。
そこまでして、うちと別れたいんだね。

そっか………
じゃあ、仕方ないね。
うん、仕方ない。


「泣くなよ、頼むから」


竜斗が悲しそうに笑いながら、そう言った。


え?泣いてる?
自分の頬を手で触ると、本当に涙をついてた。


“仕方ない”そう心の中では思えても、感情はやっぱり追い付けなかったんだ。

どっちが正しいの?
仕方ないって、感情を押し殺して別れを受け入れるべき?


それとも感情を優先させて、別れたくないってごねるべき?




どっちにしても、このままうんわかったよ。なんて言える程、うちは強くない。

せめて、せめて竜斗にこれだけは。


「ねぇ、竜斗。どうして、そんな事を――」


「聞くな」


なんで、別れたいのか。
それだけは聞きたいと思って、冷静に、なるべく冷静に聞こうとしたのに………
竜斗は冷たく、それだけを言うんだね。