「ははっ何でもないない」

うちは、片手で髪をくしゃくしゃとかきながら、わざとらしく笑いながら言った。


「あぁー…とうとう頭までおかしくなっちゃったか」

真由は、腕を組んで小さくため息をつきながら、うんうんとうなずいた。



「なっ!頭おかしい!?しかも、までって何?“まで”って!」


怒りながらそう言うと、真由は大きく笑って嘘だよ〜と言った。


「ね、でも知里?ホントに大丈夫?何かあったんじゃないの?」


笑いあってた時、真由はいきなり真顔になって聞いてきた。


あー…うちの事、心配してくれてるんだね。


あっ!説明しわすれてたけど、今は授業終わりの放課後。

公香は、塾に行っちゃって教室にはうちと真由だけ。

うちもそろそろ部活行かなきゃなんだけどね。


けど、気が重いんだー…
やっぱり、竜斗と気まずい部分あるからね。


会いたくないっていうか…いや、会いたいんだけど…けど、会ったら苦しいし…あぁーけど、竜斗の顔しなきゃ死んじゃうしー…でもなぁ―――