「久しぶり…だな。こっち、戻ってたんだ?」
「うん……。1ヶ月前にね。お父さんの仕事が落ち着いたから、お母さんと帰ってきたの」
「そうなんだ。なんか、変わんないな」
「そうかな?りゅうくんは、変わったね。なんか……格好よくなったよ」
「はは。冗談」
二人はずっと楽しそうに話してた。
まるで、うちがこの場に居ないかのように、二人の世界に入ってる。
竜斗はうちの知らない人と、うちの知らない話を、うちが居ないかのように話すんだ。
「あ、そろそろ行くね。ごめんなさい、長々と」
歩奈美さんは、うちに申し訳なさそうに言った。
「い、え。大丈夫…です」
うちは必死に笑顔を作ってそう言った。
ちゃんと笑えてたよね?
顔、みてちゃんと言えたよね?