「おぃー…お願いだからさぁー…周り見てみろよ。みんな俺の事見てるんだから。俺が泣かせたみたいだし」
竜斗の言葉に驚き、パッと顔をあげると本当に通り過ぎる人達がみんな、うち達を見ていた。
彼女を泣かせるなんて最低とでも言いたげな目を竜斗に向けてる。
ちなみに今は夕日が沈む少し前。
映画館を出て、近くの河原に来ていた。
「…ご、ごめん」
うちが泣き止み、反省したように言うと竜斗は、やっと泣き止んだって言って、うちの髪をくしゃくしゃとかきながら優しく笑った。
その笑顔にうちの心臓はまたきゅーんと高鳴るんだ。
「な、今からどうする?」
流していた涙もすっかり渇き、夕日が沈みだしていた頃竜斗がいった。
あ、、、うち、竜斗が横にいる安心感と、川の水が流れる心地よいリズムにつられて、ぼーっとしちゃってたんだ。