「い、いや、まじ無理だって!!じゃあ、あれだ。うん、映画!」


「映画かぁー…ちぇー」


せっかく、竜斗が歌ってるとこ見られると思ったのになぁ。


「はい、決まり!行くぞ」

うちの答えを遮るように
言うと、竜斗はさっさと歩きだした。


「ちょ、ちょっと待ってよぉー!!泣」








――――――――――


「うぅ……ひっくひっく」

「おい〜。いい加減泣きやんでくれよ」


竜斗が困ったようにうちの顔を覗き込んでいるけど、うちは顔を両手で覆ったまま泣き止めなかった。


あっ、読者の皆様。
竜斗に泣かされた訳じゃないからね!


原因は今日、竜斗と観にいった映画。
犬と飼い主の物語で……
そういうのにめっぽう弱いうちは、それから今までずっと泣いてるんだ。


だって!愛犬が死んじゃうんだもん。
悲しすぎるよー…